安保法案可決に対し、思うこと
先日、世間の話題となってきた安全保障関連法案、通称、安保法案が可決されました。
振り返ってみると、可決までには大きな障害があったように思われます。
その代表例と言えるのは、やはり、学生団体SEALDsを中心とした大規模な国会前デモでしょう。
このデモでは、約五万人が集結し「安倍政権の退陣」など、安保法案に対する強い反感を示していました。
抗議運動が全国各地で広まっていた事を考えると、この問題へに対する国民の関心の高さが見て取れます。
しかし、僕が注目していたのは、この法案の重要性についてでした。
まず、戦後70年間、日本は直接的な戦争に巻き込まれることが一切ありませんでした。
朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争などが発生した中でも、日本は間接的な後方支援という形で争いに関与するのみで被害も限定的、というのが流れでした。
それは、日米安全保障条約による「日米同盟」が大きな抑止力となっていたからです。
国家予算に占める軍事、防衛費の割合が最小限で済んだ日本は、戦後奇跡的な経済発展を遂げました。
冷戦当時の社会情勢から考えても、アメリカは日本の後ろ盾をすることで、共産主義勢力に対する防波堤を作り上げていたのです。
ある程度の変更はあったものの、この体制が上手く機能していきました。
しかし、2003年のイラク戦争以来、風向きが変わってきます。
アメリカ国内の世論が、徐々に厭戦、反戦ムードへと変化していったのです。
世界中に駐屯させる軍隊を維持させる膨大な軍事費は、戦後アメリカ経済を低迷させる大きな要因の一つでした。
結果として、東アジア、太平洋地域の防衛まで手がまわらなくなってきてしまったのです。
このような現状があり、日本にも出来る限りの自衛をして欲しいというのが、アメリカの本心だと考えられます。
また、双方向の防衛ではなく、あくまでも日本のみがアメリカの庇護対象になっていたというのが、同盟として不十分だという指摘もあったのでしょう。
今回の安保法案可決により、アメリカの防衛を目的とする自衛隊の海外派兵も可能となります。
安保法案反対派の主張は、主にこの点を指していると考えられるのですが、僕個人の意見としては、視野が狭いと言わざるを得ません。
憲法や制度というものは、時代の変化と共に修正されるべきものであり、そうでなければ時代に逆行していると判断されてもおかしくはないのです。
事実、多数の海外諸国はこの安保法案の可決に好印象を示しています。
言ってしまえば、これまでの憲法が世界視点から見ると異常だったのでしょう。
日本の自衛隊は、世界有数の戦闘能力を備えていると言われています。
その自衛隊が国境を越えて活動できるようになったとすれば、対抗勢力からすると安易に武力行使が出来ない大きな抑止力として期待できるでしょう。
結論として、安保法案の可決は強行的ではあったが、大いに意味のある決断と呼んでも良いのではないでしょうか。
意見、反論などあればお気軽にコメントを頂ければ幸いです。